小説「トッカン特別国税徴収官」高殿円
たしかドラマ化されていましたよね。私はちらっと見た雰囲気が暗くて苦手で、結局見ませんでしたが。
特別国税徴収官・鏡と、彼の下で奮闘する入社3年目の女の子・ぐー子が主人公。
特別国税徴収官とは、500万円以上納税を滞納した個人を担当し、税金徴収する人たちのこと。税務署がどんな仕事をしているところか、何故税金があるのかという根本的なところから、教えてくれる本でした。
税金を払いたくなくて納税しない人もいるし、払いたくても払えない人もいる。日々、色々な人と接していく徴収官のお仕事は厳しく、大変な世界だと感じました。
途中、主人公のぐー子が仕事や人間関係、人生に大いに悩んでいるのですが、同世代として共感できると共に、自分自身の在り方も考えさせられました。人間、知らず知らずのうちに相手を見下していたり、どろどろした気持ちが態度に表れてしまっていたりするものですね。気を付けないといけません。
舞台が税務署なので専門用語も色々と出てきますが丁寧に解説されているし、テンポよく読める本だと思います。なにより鬼上司だと思っていた鏡の意外な一面が最後の最後に現れていて、続きを読みたくなりました。