いっそ書店で暮らしたい。

コミックから小説、洋書まで、読み終えた本たちへの思い、読書感想文を綴っていきます。

小説「うそうそ」畠中恵

 

このゴールデンウィークは読書三昧でした。時間を気にせず好きなだけ文字を追える幸せ!まさに至福です。そんな中の読了本は畠中恵さんのしゃばけシリーズより「うそうそ」。

 

~あらすじ~

日本橋の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいた。その上、病だけでは足りず頭に怪我まで負ったため、主に大甘の二人の手代、兄・松之助と箱根へ湯治に行くことに!初めての旅に張り切る若だんなだったが、誘拐事件、天狗の襲撃、謎の少女の出現と、旅の雲行きはどんどん怪しくなっていき…。

 

シリーズ5作目は若だんなが湯治のために旅に出るお話です。旅に出られるくらい元気になった・・・わけでは、もちろんありません(笑)天狗に追われ、神々やお侍の揉め事に巻き込まれ、若だんなはやっぱり寝込んでしまわれました。事件は無事に解決したので何よりですが^^

 

さて、この巻のキーとなる姫神様は若だんなと同じような悩みを抱えているんですが、姫神様への若だんならしいアドバイスに私もちょっと肩の力が抜けました。

「全部、きちんと立派にこなさなきゃならないと力むと、先へ踏み出せなくなるよ」

「出来ることを増やしてるんだ。するともっと、やりたいことが出てくるから不思議だよ」

これって、頑張ってる人みんなに当てはまる言葉なんじゃないかなぁ。仕事もプライベートもそうですが、色々抱えてしまってあれもこれもやらないと!ってなってしまうと、全部が全部上手く行かなくなりますよね。そんで、出来ない自分が苛立たしくなってしまう。「なんとかなるさ」ってゆるく構えて少しずつ進めていくことで、「あれもしよう!これもしたい!」って視界がどんどん開けていく。上手く行くことも増えていく。何事も気負いすぎずに取り組むことが大切だと思いました。

 

最後に。若だんなに対して遠慮がちだった松之助兄さんですが、この巻ではどんどん過保護になっていて素敵でした!姫神様にメロメロな蒼天坊さん(天狗)にもトキメキました。あと、鳴家が相変わらず可愛らしかったです。我が家に来て、ぎゃわぎゃわ言ってくれないかなー。賑やかで楽しいこと間違いなしだと思います(笑)

 

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